大正の頃の歯ブラシ作り

大正3年(1914)に発売された萬歳歯刷子は、歯ブラシという商品名が用いられた最初のものです。「完全消毒歯刷子」と銘うって発売されたようです。材料は柄を牛骨製とし、毛には豚毛を使い、植毛はアメリカ・タフト型段切式を採用し、熱気消毒に耐えるものだったようです。

最初は舌こき付きでしたが、衛生面を考慮して、すぐにこれは廃止されたようです。輸入された原毛は税関で消毒され輸送されます。それをまず第一に晒す、その晒し方は石鹸で洗って、脂肪その他の汚れを洗い落とし、次に硫黄を燃やしてできた亜硫酸ガスで晒していくという方法でした。

または、過酸化ソーダの溶液を用いて洗ったりしていたようです。現在でも、ほぼ同様の方法をとっており、植毛前の束の状態でエチレンオキサイドで消毒を行います。