お口のなかの「唾液」の働き

お口の中の「唾液」は洗浄作用・抗菌作用などといったような口内の環境バランスを保つための自浄作用の働きをしてくれています。唾液の分泌は、皆さんの健康を維持するための大変重要な存在であり、口内の乾燥を防ぐとともに、お口のなかの細菌から皆さんの健康な歯を守ってくれているのです。また健康な歯を守るだけではなく、お口の中に呼吸とともに入ってきた感染症の細菌などを、口内で食い止めてくれるような役割も果たしているのです。お食事の際にも「唾液」があることによって、食べ物が食べやすくなり、また咀嚼するとともに唾液の分泌が促されますと、嚥下をしやすくしてくれているのです。介護を必要とする高齢者の多くが抱えている嚥下力の低下問題は、全身の筋力が弱まるとともに「咀嚼力」が低下することにともなって唾液の分泌が減少してしまうことから、誤嚥が発生しやすくなるなどとも言われております。高齢者施設などでは、お食事の前にお顔の体操やお口まわりのリハビリを行うことで咀嚼をしやすくし、唾液の分泌を促しているそうです。お食事の後は、歯ブラシで正しいブラッシングを行い、口内環境を衛生的に保ちながら口内をマッサージするように刺激することも唾液の分泌の正常化を促すと考えられております。